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土佐高サッカー落雷事故

サッカー落雷事故北村裁判で原告が勝訴

1996年お部活試合中に落雷の直撃を受け、重度の障害を負った北村光寿さん(28)=当時、土佐高1年生=とその家族が、土佐高校と高槻市体育協会に「安全配慮に怠慢があった」として、損害賠償を求めていた裁判の差し戻し控訴審で、高松高裁(矢延正平裁判長)は17日、本人と家族に総額3億7百万円を土佐高と高槻市に対し連帯で支払うよう命じました。
矢延裁判長は、落雷に対する安全対策として4?以上の高い物体の頂上を45度以上の角度で見上げる「保護範囲」の中に入ることが当時も一般的に知られていたと指摘。その上で、グラウンド周囲には10−11?間隔で高さ8?のコンクリート柱があったとして、「保護範囲にとどまる限り、落雷の直撃に遭う危険性は軽減されることが明らか」と述べました。
さらに、教諭らが生徒を保護範囲に避難させたり、試合の開始延長を申し入れたりすれば、事故は回避できたと認定しました。
また、同協会についても「大会の主催者として責任を負う」としました。
判決後の記者会見で光寿さんは「支援していただいたみなさまのおかげです。ありがとうございました」と語りました。
2003年6月の1審高知地裁は、「落雷の予見は困難であった」として請求を棄却。04年10月の2審高松高裁も支持しました。06年3月、最高裁は「気象状況から落雷は予測でき、引率教諭は注意義務を怠っていた」として高松高裁に裁判のやり直しを命じました。

(この項、9月18日付け「しんぶん赤旗」より)

支援する会が勝利判決で声明発表

サッカー落雷事故北村裁判
高松高裁差し戻し審判決にあたっての声明

 落雷から12年、裁判が始まって9年半、ついにこの日を迎えることができました。支援の輪に加わってくださった方たち、署名を書いてくださった方たち、報道でこの事故を伝えてくださった心あるマスコミ関係者の皆様に支えられて、今日までの裁判を続けることができました。多くの皆様に、心から感謝申し上げ、ともに喜びあいたいと思います。

 「落雷は予見可能。当時の科学的知見からすれば、生徒を指導監督する教諭の注意義務は免れない。主催者は高槻市体育協会と推認される」という、画期的な最高裁判決から2年6ヶ月、差し戻し審をたたかってきました。本判決は、北村さんのこれまでのたたかいに報いるすばらしい判決でした。

 大阪大学の河崎善一郎教授の証言によって、「指導者が適切に避難させていれば、事故は回避できた」ことが証明され、光寿さんの音声パソコンによる陳述で、裁判にかける思いが語られ、家族が背負ってきた介護の実態が明らかになりました。
 この12年間、光寿さんにとって最大の出来事は、落雷の直撃による重い障害と、信頼していた学校から郵送されたきた「除籍通知」でした。苦悩の中から人間性回復の”あきらめない”ひたむきなたたかいが始まりました。ご家族や回復を願うサッカー部の仲間とお母さんたち、支援する人々に支えらて、高校1年生の時断ち切られた”生きる希望・学ぶ希望”を取り戻した奇跡的な回復の道筋は、病気や事故で苦しんでいる人々に希望をもたらすものとなりました。
 2年6ヶ月の間、私たちは公正な裁判を求める署名、上申書、裁判長への手紙集め、世論の声を、14回にわけて高裁に届けてきました。届けた署名は37,040筆。手紙と上申書は2,298通にのぼりました。高知県内の個人、組織、団体はもとより、学校災害から子どもを守る全国連絡会、日本母親大会、国民救援会の皆様からは惜しみないご支援をいただきましたし、何はおおても傍聴に駆けつけてくださいました皆様がたに、あつくお礼申し上げます。

 長い裁判の中で、最高裁判決と本判決は、学校の中でこどもたちは安全に守られ、教育されなければならないことを示しました。
また、野外活動の指導者、学校、教育委員会に対しても、子どもたちの生命の安全が第一であることを示しました。安心して学び、教えることができるよう、指導者は落雷事故をはじめ自然災害についての科学的知識を身につける努力をしなければならない事を教えています。
 土佐高校と高槻市体育協会が、本判決を真摯に受け止め、謝罪や補償など全面的な解決に向け、最大の努力をされるとともに、今後、奪われた光寿さんの人権回復のたたかいを支援する立場にたたれることを、強く望みます。

 北村光寿さんが、12年間の様々な挑戦によってなし得た回復状況からみれば、さらなる挑戦・飛躍によって夢である「大学進学」を実現するでしょう。今後、学ぶことによって生きる希望を広げ、チャレンジし、自立に向けて堂々と歩まれることを心から願い、「声明」といたいます。
   2008年9月17日
       土佐高校サッカー落雷事故北村裁判を支援する会

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