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国公法弾圧・堀越事件

国公法弾圧・堀越事件

国公法堀越事件で「処罰は自由権規約違反」と国際法学者が証言

 社会保険庁職員の堀越明男さんが、国家公務員法と人事院規則に違反したとして東京地裁で不当に有罪判決を受けた「国公法弾圧堀越事件の控訴審第5回公判が21日、東京高裁(中山隆夫裁判長)でありました。京都学園大学の西片聡哉講師(国際法)が弁護側証人として証言。国公法が国家公務員の政治活動を広範に規制していることについて、「国際人権(自由権)規約から見て非常に問題がある」と述べました。
 世界人権宣言(1948年)を基盤とする自由権規約は、表現の自由について、「すべての者は…あらゆる情報及び考えを伝える自由」持つと定めています。日本は1979年に規約を批准。国内法としての効力を持っています。
 西片氏は、欧州各国がやはり世界人権宣言を基盤とする欧州人権条約に基づいて「欧州人権裁判所」を設置していることを紹介。「判例も蓄積されている。日本の事件で規約違反があるかどうかを判断しる際も、参考にするべきだ」と語りました。
 その上で、同裁判所の判例を紹介。ドイツで、公務員である教師が選挙に立候補し懲戒免職になったケースでは、同裁判所が免職処分を人権侵害と認定しました。
 西片氏は「欧州では前提として、すべての公務員に表現の自由が認められている。一定の制限があるが例外的だ」と指摘。堀越さんの行為については、「休日に自宅近くでビラを配ったことが、行政の中立性にとって、具体的にどの程度の危険が発生したのか。それを立証しないまま刑罰を科すのは自由権規約に違反する」とのべました。(5月22日付け「しんぶん赤旗」から)

「英国の公務員の休日ビラ配布、政治活動は自由」と「国公法弾圧堀越事件」控訴審第10回公判で弁護側証人が証言

 「国公法弾圧堀越事件」の控訴審第10回公判が(2009年7月)8日、東京高裁(中山隆夫裁判長)でありました。国際法学者の榊原秀訓・南山大学院教授が弁護側証人として、イギリスでの公務員の政治活動について証言しました。証言はドイツ、フランスに続いて3国目です。
 榊原氏は、1953年のイギリスの政府文書を紹介。公務員の政治活動について?制約を受けない「自由類型」?省庁の幹部レベル(日本なら課長以上)などで、全国レベルの政治活動は禁じられているが、地方レベルでは許可を受ければできる「制約類型」?許可を得れば、地方でも全国でも政治活動ができる「中間類型」ーの3分類があると述べました。1978年には制約類型を見直し、大臣の補助や対外的に政府を代表する幹部職員などに限定しています。
 榊原氏は、イギリスでは違反した場合でも「懲戒処分の可能性はあっても、刑事罰はありえない」と指摘。イギリスの規制から見て、休日に政党のビラを配布した堀越明男さんの行為については(イギリスでいう)政治活動に当たらない」し、「許可を受ける対象にない」と指摘しました。
 これまで3回の公判でヨーロッパ3国の公務員の政治活動が証言されましたが、いずれも「職務外での政治活動は自由」「違反だったとしても懲戒処分のみで刑事罰はありえない」として、逮捕の不当性を指摘しました。次回の控訴審は9月16日です。
(この項、2009年7月9日付け「しんぶん赤旗」から)

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