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自由な選挙

大石市議から愛媛県本部にお礼の手紙

最高裁での判決が下った大分県豊後高田市議の大石市議から愛媛県本部に2月5日付けで、これまでの支援にたいするお礼と、今後の闘いへの決意を表明した次のように手紙が届きましたので紹介します。

 梅の鼻もほころび始め、春の気配を感じる季節になりましたが、国民救援会愛媛県本部では、全国大会成功に向けての会員拡大や、人権、民主主義を守る活動などますますご活躍のことと思います。
選挙弾圧大石市議事件では、不当逮捕された2003年5月3日以後、警察署・検察庁への抗議、不起訴、即時釈放要請など、裁判では、地裁、高裁、最高裁への要請署名や上申書などもご尽力いただきました。
愛媛県では2004年5月16日、全国に先駆けて「守る会」を結成、早期に署名に精力的に取り組んでいただき、全国の牽引車の役割を果たしてくれました。何度もオルグの受け入れをしていただき、支援の要請、資金カンパなどの温かいご支援をいただきました。さらに遠路を大分、豊後高田、福岡へと何度も駆けつけ、公判傍聴や現地調査、要請・宣伝行動など頑張っていただき大変お世話になりました。
みなさんの温かいご支援に支えられ、お陰をもちまして、私も5年近く裁判をたたかうことができました。長年の物心両面の大きなご支援に心からお礼申し上げます。
 振り返ってみますと、逮捕された頃は留置場のなかで不当逮捕した警察への怒りと、人権蹂躙の違法・不当は取り調べに怒り心頭の日々でした。「こんな弾圧に絶対負けてたまるか、何としても不起訴にして欲しい」との気持ちと同時に、「これで俺の政治生活は終わったか、長年の経験を生かし後8年だけは議員として市民奉仕に邁進したいと考えていたのに、警察の弾圧で議員を辞めさせられる、こんな悔しいことはない」と、どれだけ動揺し悩んだか分かりません。
でも、面会に見えられた弁護士から、「豊後高田市では即時釈放や不起訴を要請する署名がものすごく広がっている(保釈され帰宅して分かりましたが、要請署名は有権者の22%も集めてくれていました)ことや、「今回の選挙で文書違反や個別訪問で警告で済ませた事件が700件ほどあり、逮捕者は全国で大石だけだ、だから不起訴になるので頑張れ」と、展望を与えてくれたときは、「ひょっとしたら、不起訴になり議員活動を続けられる可能性もあるか」と、留置所の中で涙を出して喜んだことなどを思い出しています。
 残念ながら検事には国民声は通用せず、起訴され裁判でたたかうことになりました。議会活動は何とか自分の知識や経験で誇り高くやってきましたが、裁判闘争はなにもかも初めてのことで、不安や心配の日々でした。
 しかし、国民救援会中央本部や大分県本部、そして同じ様な弾圧を受け被告とされ長年にわたり裁判をたたかってきた、祝一行さん、中村満吉さんなどから懇切丁寧なご指導、ご援助をいただき、全国の国民救援会や「守る会」「支援する会」などの大きなご支援で、お陰をもちまして何とか裁判をたたかい続けることができました。
 なんといっても、弁護団の大奮闘と、福岡高裁では大分地裁に続き全国で10万筆の署名、62回、30都府県から述べ480人が駆けつけ、直接事務官に訴えてくれるなど攻勢的な要請行動、2月の市議選トップ当選などが裁判官の心を動かし、公民権停止を外すことができました。
 議席剥奪の権力の狙いを打ち砕くことができ、これからも議員として活動を続けることができることになり、こんな嬉しいことはありません。もし高裁で外すことができてなかったら、最高裁の「上告棄却」の不当判決で、私は議員を失職させられていたと思うと、ぞっと身震いがします。あらためて議席を守れた喜びをかみしめています。本当に長い間お世話になり、ありがとうございました。
 議席は守れたので、最高裁でのたたかいは攻めのたたかいであり、私は諸先輩たちが長年にわたり、日本の選挙制度の改正、自由な選挙を求めてたたかい続けてきた、この崇高な運動を継承しつづけ、選挙の自由をきりひらく原告としたたたかいたい、崇高な任務を与えられたと、最高裁でたたかい続けられることを誇らしく思っています。
 支援者に署名だけでなく「上申書」が裁判官に与える意義を訴え、私一人だけでも2000筆は集めたいと張り切っていた矢先に、判決宣告日の通知を受け、あの時は本当にショックでした。最高裁は運動が広がることを恐れ、早々に判決を下したのでしょう。たたかわずして逃げられた、逃がしてしまったことが悔しいです。
 荒川さん、堀越さん、宇治橋さんの言論弾圧3事件も権力の狙いは同じだと思います。仇を討ちたいです。何としても3事件の全面勝利のために、そして来るべき総選挙での日本共産党の躍進、国民救援会の会員拡大で全国大会成功など先頭に立って頑張る決意です。
 たたかいは、国連へと続きますが、私は議員としての活動と、選挙の自由や民主主義を勝ちとるために闘いつづけたいと決意を新たにしています。
 今後ともご支援をよろしくお願いいたしまして、お礼の言葉といたします。

2008年2月5日

豊後高田市会議員 大石忠昭

大石市議事件で最高裁が上告棄却の不当判決  

 後援会ニュースの配布と公職選挙法違反だとして不当に逮捕・起訴された、日本共産党の大石忠昭大分県豊後高田市議(65)が自身の行為は憲法と国際人権規約に保障された表現の自由にあたるとして、無罪を訴えていた上告審で、最高裁第2小法廷(中川了慈裁判長)は28日、十分な審理を尽くさずに上告棄却の不当判決を言い渡しました。
 昨年12月4日の上告趣意書提出からわずか56日での判決。中川裁判長は、【公選法の各規定が国際人権規約の中の自由権規約に違反しないと解されるので違法な上告理由にあたらない」とするだけで明確な理由はのべませんでした。
 事件は2003年4月、市議選告示前、大石市議が、18人の会員に後援会ニュースを配布したことを公選法の戸別訪問、法定外文書頒布、事前運動にあたるとして逮捕・起訴したもの。1審の大分地裁では罰金15万円、公民権停止3年の有罪判決、福岡高裁では、公民権停止は破棄されましたが、罰金15万円の有罪判決とされました。
 大石市議は昨年3月、市議選で、控訴審の公判中にもかかわらず、トップ当選を果たし、「豊後高田市に大石市議は必要」だと市民の意思を示しました。歴代市議会議長6人が福岡高裁に1審判決の公民権停止を外すよう要請するなど、党派を超え広範な市民から支援を受けました。
 大石市議は判決報告集会で、「党の旗を掲げて住民奉仕ひとすじに頑張りぬいてきた。裁かれるべきは、不当に活動を制限する公選法だ。選挙の自由を広げるために、国際社会に訴えていきたい」と述べました。(「しんぶん赤旗」)

【解説】自由な選挙活動、世界では当たり前

 大石忠昭市議が初当選以来37年間続けてきた、後援会ニュースの配布を、公職選挙法違反の犯罪行為とした最高裁判決は、憲法の精神と世界の常識から逸脱した内容です。
 大石市議と弁護団は上告審で、大石市議を処罰した公選法の選挙活動規制の規定が、1979年に国会で批准した国際人権規約に違反し無効であると主張しました。
 世界では、戸別訪問は選挙活動の常識です。
 1審の大分地裁では、規約が設立する「国際規約人権委員会」元委員のエリザベス・エバットさん(在オーストラリア)が戸別訪問禁止や文書配付制限などの規定について、「規約に適合しない」と証言しました。
 弁護団上告趣意書では、高裁判決が規約の国内法としての効力を認めながら、規約の解釈・適用にあたって規約人権委員会の見解を尊重していないことを批判しました。
 公選法の各規定が自由権規定に違反しないとした今回の最高裁判決に対し、日弁連は、国連人権委員会に対し、公選法による規約違反の実態を訴えた文書を提出する予定です。
 規約人権委員会は、締約国の自由権規約履行を監視する機関。同委員会の「見解」に是正勧告が盛り込まれれば、締約国の責務となります。
 大石市議らは、同委員会の審査が行われるジュネーブで直接、国際世論に訴えます。
 選挙の自由を守るたたかいはこれで終わらず、さらに広がろうとしています。(「しんぶん赤旗」)

最高裁判決に大石市議、救援会中央本部などが抗議声明

 本日、最高裁第2小法廷(中川了慈裁判長)は、大分・選挙弾圧大石市議事件について、十分な審理を尽くさずに上告を棄却する不当な判決を言い渡した。
 選挙弾圧大石市議事件は、我が国の公職選挙法の戸別訪問禁止や文書配布の大幅な制限が、自由な選挙活動を国民の権利として保障している自由権規約(1979年批准)に違反するとの主張を最大の争点とした事件であり、被告・弁護側は、元規約人権委員の証言など新たな多くの証拠と提出し、国際水準に適合する判決を求めて奮闘してきたものである。時あたかも本年は自由権規約にもとづく第5回日本政府報告書審査も控えており、我が国における人権保障の実情は、国際社会にも注目される情勢にあった。
 然るに最高裁は、記録受理後わずか100日余(上告趣意書提出から55日)で、自由権規約との適合性について理由も述べない棄却判決を下したのであるが、これは誠実に記録を審査したとは到底思えない拙速の手続きであり、公正な裁判を受ける権利を侵害するものとして断固抗議する。また自由権規約との関係について何らの理由も述べていないことは、国際社会に開かれた国家の説明責任を果たさず、法令解釈の先例としてに価値もないことを指摘する。
 自由な選挙は議会制民主主義の根幹であり、我々は今後も自由な選挙制度の実現に向けて、内外で多方面に活動するものである。
 事件発生いらい、全国の多くの方々からあたたかなご支援ご協力をいただいたことを心からお礼申し上げます。

2008年1月28日

豊後高田市議会議員 大石忠昭

公選法・大石事件弁護団

選挙の自由をひろげ大石さんを守る会

日本国民救援会大分県本部

日本国民救援会中央本部

自由法曹団が大石事件最高裁判決に抗議声明  

詳しくはこちら http://www.jlaf.jp/

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